~「仮説採集フェス」に踊らされるプロジェクトの落とし穴~
はじめに:
「ユーザーインタビューもしたし、ペルソナも作った!これで完璧な人間中心設計だ!」
……そう思っていたプロジェクトが、気づけば「ユーザーの声を無視した謎機能」だらけになっていた。
「それ、ただの自己満足ウォーターフォールじゃん?」 とツッコミたくなる現場の実態を暴きます。
❶ 「仮説採集フェス」という名の観光ツアー
多くのプロジェクトが「ユーザー調査」と称して行っているのは、実は…
✅ インタビューでキラキラしたユーザー発言を「採集」
✅ トレンド記事や競合分析でアイデアを「狩猟」
✅ 付箋を貼りまくった豪華なカスタマージャーニーマップ作成
「でも、それって単なる仮説の収集旅行じゃない?」
肝心の「検証」と「改善ループ」がすっぽり抜けていませんか?
❷ ウォーターフォール開発との恐ろしい相似点
伝統的ウォーターフォール | 自称・人間中心設計 | |
---|---|---|
特徴 | 要件定義→設計→開発→テスト(直線的) | 調査→設計→開発→リリース(検証なし) |
問題点 | 最後までユーザー不在 | 最初だけユーザー登場 |
「ユーザー調査した」という事実が、かえって危険な安心感を生む
→ 仮説を金科玉条のように扱い、リリース後は「数字が悪いのは営業のせい」と責任転換するチームも…。
❸ 本当の人間中心設計に必要な3つの「R」
① Repeat(繰り返す)
「調査→設計→テスト」のサイクルを高速回転。1ヶ月に1回のインタビューでは遅すぎる!
② Reality Check(現実検証)
ペルソナよりプロトタイプ! 美しい資料より、粗くても実際に触らせた反応が全て。
③ Reflection(振り返り)
「失敗した仮説」をチームの財産に。改善サイクルの燃料は「ダメだったデータ」です。
❹ 今日からできる脱・偽HCDチェックリスト
- ユーザー調査の目的が「仮説検証」ではなく「ネタ収集」になっていないか?
- プロトタイプテストを「時間がないから」とスキップしていないか?
- リリース後のユーザー行動データを、次の改善に活かせているか?
- 関係者が「最初の仮説」にしがみついて変更を拒んでいないか?
1つでも☑がついたら… 「それはウォーターフォールの着メロバージョン」 かも?
おわりに:設計とは「仮説との付き合い方」
人間中心設計の本質は、
「完璧な仮説を立てること」ではなく、
「間違いを早く見つけて修正し続けること」です。
次回のプロジェクトで「ユーザー調査しましたアピール」をする前に、
「この仮説、どうやって壊しに行きますか?」 とチームに問いかけてみてください。
もしかしたら、付箋だらけのホワイトボードより、
1つの失敗テストレポートの方が価値があるかもしれませんよ?